「歯みがきの理想的な時間ってどれくらい?」
「今の自分の歯みがき習慣は正しい?」
普段毎日歯みがきをしていても、虫歯になったり口内トラブルが起こる人は歯みがきを見直した方が良いかもしれません。
自己流の歯みがきは汚れを完全に落とし切れていなかったり、歯を傷つけていたりする可能性があります。
本記事では歯みがきのタイミングや所要時間、また歯みがきのポイントや注意点をご紹介します。
正しい歯みがきの知識をつけて、虫歯や歯周病を徹底予防しましょう。
Contents
歯みがきにどれくらいの時間をかけたらいいのか疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
厚生労働省が実施している歯科疾患実態調査によると、歯みがきの平均回数で一番多いのは、一日2回という回答で、所要時間では「一回1~3分未満」でした。
一般的には、毎食後3分間の歯みがきが推奨されており、28本(親知らずをいれると32本)の歯の汚れをしっかり落とすためには、最低でも3分間ほどかかると言われています。
また、歯科医院などでは、歯1本1本の前側・断面・後ろ側をみがくとなると、10分以上かけることを推奨されているケースもあります。
毎食後に10分以上の歯みがき時間が取れないという方は、就寝前の最後の歯みがきに時間をかけて丁寧にみがければ、すぐに虫歯や歯周病になる可能性は低いと考えられます。
その際は歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助清掃器具も使ってみがくのがおすすめです。
歯みがきの目的は、口の中にある食べかすを除去することと、歯の表面に付着したむし歯菌のかたまりである歯垢を除去することです。
歯垢はむし歯や歯周病の根本的原因です。歯ブラシで機械的に歯垢を除去することで、口の中の病気やトラブルを予防できます。
歯みがきのタイミングは朝食後、昼食後、夕食後(もしくは就寝前)の3回が理想のタイミングと言えます。
食事をすると食べかすの中の糖分を基にしてむし歯菌が増殖し、歯垢となり歯に付着します。歯垢の中のむし歯菌は酸を産生します。この酸が歯を溶かしむし歯へと変化していきます。
食後の歯みがきは、むし歯の原因となる歯垢を取り除くとともに、その原料となる食べかすを取り除きます。
食後30分以内に歯みがきをすることをおすすめします。
就寝中は日中と比べてお口の中が乾燥しやすく、むし歯菌が繁殖しやすい環境です。そのため、汚れたお口のまま就寝してしまうとむし歯のリスクが一気に高まります。一日の中で最も大切なのが就寝前の歯みがきです。
汚れた歯のまま就寝しないことが大切です。一日の中でも念入りに時間をかけてみがきましょう。
食後すぐに歯をみがくことを推奨します。
なぜかというと、先に述べたように歯に付着したままの歯垢は、歯を溶かし始めるからです。
「食後は少し時間を空けて、歯みがきを」「食べた直後にみがくのは歯に良くない」 という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。
そういった話は、炭酸飲料など酸性の食品を飲食した際におこる「酸蝕症」に関する研究データを元にした場合の説です。「食後30分ほど時間をあけて中性に戻ってからみがいたほうがいいのではないか」という意見ですが、普通の食事内容であれば食後すぐに歯みがきをする方が歯を守る効果が高くなります。
回数?時間?それともみがき方?
歯みがきで気をつけたいポイントは以下があげられます。
歯みがきの回数は1日3回が理想ですが、歯みがきで大切なことは、汚れを残さないみがき方ができているかどうかです。回数にこだわらず歯みがきの質を高めることに意識を向けましょう。
ポイントは、1本ずつの歯に対し、前側・断面・後ろ側を20回往復させてみがくことです。
軽い力で、歯ブラシは小刻みに動かします。以下は特にみがくのが難しい部分です。
歯ブラシの当て方、歯ブラシの角度、動かし方に注意しながら、まとめてみがかずに一本一本の汚れを落とすことを意識しましょう。
また、歯みがき粉の使用には以下のメリットがあります。
歯みがき粉はフッ素配合の商品を選ぶようにしてください。
子どものむし歯になりやすい箇所
を仕上げに寝かせ歯みがきで、丁寧に優しくみがいてあげるのが良いでしょう。
実は歯ブラシだけで落とせる汚れは、口全体に付着した汚れの6割程度といわれています。時間をかけて丁寧にみがいたとしても、歯と歯の間の汚れはなかなか歯ブラシだけでは取れにくいものです。なので、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃器具を併用しましょう。薬局やコンビニエンスストアで手軽に購入でき、1日1回就寝前の使用がおすすめです。
歯ブラシが入らない部分はデンタルフロスを前後に動かし、汚れをかきだします。
歯と歯の間のすきまが大きい場合は、歯間ブラシを使うと良いでしょう。
一方で「歯みがきをしすぎるのも良くない」という話を聞いたこともあるかもしれません。
その理由は以下があげられます。
実は長く歯みがきをしすぎると、歯のエナメル質が削れて歯が傷ついてしまう恐れがあります。
歯の表面はエナメル質で覆われており、歯ブラシが強く当たりすぎると、表面が削れたり目に見えない傷ができます。
知覚過敏の原因にもなるので、極端に長くみがき続けるのは避けるようにしましょう。
歯茎はとてもデリケートです。みがきすぎると歯と同様に表面が傷つき、歯ぐきの腫れや出血の原因になります。また、歯茎が痩せて知覚過敏の一因にもなります。
歯と歯ぐきの境目をみがく際は、軽い力で優しくみがくよう心がけましょう。
外出先や仕事で歯みがきする時間が取れないときもあります。
そんなときは以下の対処法を行ってみてください。
うがいをして口内の食べかすを洗い落とします。ポイントは、口に含んだ水に勢いをつけて口の中でしっかりゆすぎます。歯と歯の間や歯茎と頬の間にも水が行き渡るようにして洗います。
口内に食べかすが停滞すると虫歯菌のエサになるため、食後にお茶や水を飲んで流すのも有効です。その際は糖分を含まない「ノンシュガー」の飲み物を選んでください。
中でも緑茶や烏龍茶はおすすめです。
緑茶にはポリフェノールの一種であるカテキンが含まれており、虫歯の原因となるミュータンス菌の増殖抑制やプラーク形成の抑制効果があると言われています。
また烏龍茶にもポリフェノールが含まれており、緑茶よりも高い虫歯予防効果が期待できると言われています。
ガムを噛むと唾液の分泌がうながされ、食べかすなどの汚れもたまりにくくなります。キシリトールは砂糖と同じ甘さがあるにもかかわらず、細菌が酸をつくらない甘味料として知られています。
丁寧に歯をみがこうといわれても、具体的にどうみがいたらいいのか分からないという方も多いと思います。
毎日みがいてはいるものの、虫歯や歯周病になってから、実は汚れが落とせていなかったことに気づくこともあるでしょう。
歯みがきと一口に言っても、人それぞれ歯並びや歯と歯茎の状態は異なります。
適切な歯みがきの方法を知るためには、かかりつけの歯科医院に相談してみるのがベストです。歯科医院では、自分に合うみがき方や歯ブラシなどの道具の選び方を教えてもらえます。
またその際は、歯みがき指導だけでなく定期検診も一緒に受けるのがおすすめです。
歯みがきの理想的な時間や回数、気を付けるポイントをご紹介しました。
口内環境を清潔に保つために、寝起き、食後はできる限りすぐに歯みがきをして、寝る前の歯みがきは特に念入りに行いましょう。
時間や回数よりも、一番はしっかりと汚れを落とすことが大切です。
丁寧に歯1本1本をみがくことを心がけてみてください。
正しい歯みがきを習慣にできれば口内トラブルを防げます。しっかり予防して自前の歯を大切にしましょう。